私の好きな「Phrase」(格言)紹介



5.
通常、われわれは、生命は有であり死は無であると考えており、
生から死へ変わることは虚無の奈落へ沈む苦しい場合だと想像している。
しかし、死が克服されれば、
人間を、恐怖と不安でおびやかすものは、この世にひとつもなくなる。

浮谷東次郎

夭逝した伝説のドライバー、浮谷東次郎氏が残した名言のひとつ。
氏に関しては、多くの出版物、HPがあり、
いまさら小生が筆を加えることがないほど、詳細な資料が掲載されており、
氏を懐かしむ催しも今なお行なわれている。
それほど、惜しいドライバーをなくしたということの証左でもあろう。


4.
”Spa is probably the most beautiful Grand Prix circuit
in the world.
And the most dangerous.
You don’t usually get a second chance there.”

スパは、おそらく世界で一番美しいグランプリ・サーキットだ。
そして、一番危険なサーキットでもある。
そこには2度めのチャンスなんてものは、まずない。

John Cooper
(Cooper Team/F1 Constructor)


ジョン・クーパーが言うとおり、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットは、
美しさと危険が同居したサーキットのひとつであろう。
それがF1関係者のみならず、モーターレーシングに関わる者の一致した意見だと言える。
ここでのレースはなくすべきだ、との意見も少なくはない。
それでもスパでのレースは2001年の今年まで開催されてきている。
これは、いみじくも、クラシック・サーキットが抱える同巣の面でもある。

ハイスピードと安全.....決して終わりがない相反するテーマではないはずだ。
21世紀という世紀はそうありたい、と願う。



3.
”Free men are free to risk their lives”


自由な人間は、自分の生命を賭ける自由を持っている。

Jack Ickx
(Journalist)

F1,スポーツカーなど、幅広いドライバーだったジャッキー・イクス選手の父で、ベルギーの
著名なジャーナリスト、ジャック・イクス氏のフレーズ。
1960年代、アクシデント(死亡事故)が続いて、
モーターレーシング廃止論者がヒステリックな論調を繰り広げた時の、氏の冷静なる名セリフ。


関連記事:白井景執筆集


2.
”Being clever is a whole lot safer than being brave”.

勇敢であるよりも、賢いほうが、ずっと安全だ。

ブルース・マクラーレン




Bruce McLaren(NZ)
1937〜1970

ご存じ、マクラーレン・チームの生みの親。
1958年にクーパーでF1デビュー以来、
ドライバーはもちろん、
コンストラクターとしてもモーターレーシング界に大貢献した。
F1チャンプはないが、ランキング2位・1回、3位・2回他。
CAN−AMシリーズでも大活躍した。




1.

”There’s one thing you get no experience at、and that’s dying.
I mean、there are no professionals.”


世の中には経験を績めないことがひとつだけある。
それは死だ。
したがって、死に関してのプロは存在しない。

スターリング・モス






Stirling Moss(GB)

「無冠の帝王」といわれた氏は、
出場66レース、優勝16回。ポールポジション獲得16回、獲得総ポイント186.9/14点。
現役引退後は評論活動も行なっている。


写真は、1961年ドイツ・グランプリでロータス21を駆って優勝したときのもの。

いずれも、三栄書房刊「死線」(Risk Life、Risk Limb)
M.クーパー・エバンス著、高斎正訳よ
り抜粋