モーターレーシングをテーマにした
映画紹介
at random




すさまじい迫力の実写シーン

「栄光のル・マン」
原題:Les 24Heures du Mans

1971年 アメリカ。 カラー、 パナビジョン作品。
リー・H.カツイン監督 
ステイーブ・マックイーン主演

 主人公が、ル・マン24時間レースの舞台、サルテ・サーキットをポルシェ911で訪れるところから映画は始まる。そして回想シーンへと移り、壮烈なバトル・シーンが再現されることになる。
 マニアのみならず魅力満点の作品だが、なかでもスタートシーンでの心臓の鼓動描写や、ふんだんに出てくるポルシェ917とフェラーリ512のビッグマシン実走行と、自身ビッグ・レースに出場(ポルシェ908:スポーツ/プロトタイプカー・レース)した経験を持つマックイーンのドライビングシーンとレーシング・ファッションは、男が見ても実にカッコいい。
とにかく全編これル・マン24時間レースで、この年代にタイム・スリップする。一見に値する佳作である。



巨匠フランケンハイマーの超大作
「グランプリ」  
原題:GRAND PRIX

1967年 アメリカ,MGM製作。カラー、スーパーパナビジョン作品
フランケン・ハイマー監督
イブ・モンタン、三船敏郎主演

F1グランプリに出場しているドライバー間の確執と、彼等を取り巻くドラマ。
 世界のサーキットを文字通りグランプリ・サーカスする。
 だが、ドラマ自体は感心するほどのものではない。が、フェラーリを筆頭にBRM、ロータス、クーパー、マクラーレンなどのマシン、グラハム・ヒル、ジャック・ブラバム、ジョン・サーティーズ、ヨッヘン・リントなど、名の知れたドライバーが友情出演やミーティング・シーン等に顔を揃える。それらを見るだけでも、価値はあろう。
映画は、スミス製のタコメーターが、アクセル・オンと共にピクピクと回転する映像から始まり、一転モナコの風景となり、フェラーリとBRMの戦いのシーンへとはいっていく。
 デッドヒートはもちろん、各サーキットでの俯瞰シーンの撮影はダイナミックで、しかも美しい画像が大スクリーンに展開する。私などは、雨のレースの、空からのきれいな映像が脳裏から離れないほどだ。テーマ・ミュージックもいい。
「栄光のル・マン」と共に必見に値する映画だと思うので、まだ見ていない方はレンタル・ビデオ、もしくはTVでの再放送の際にぜひ!



戦後の、グランプリ再開直後が舞台
「スピードに命を賭ける男」

1954年 アメリカ。カラー作品
ヘンリー・ハサウェイ監督
カーク・ダグラス主演

ストーリーは、「カーレーシングに人生の総てを賭け、愛も友情も犠牲にしてチャンピオンの座をめざす男」
という設定で、「グランプリ」に似てなくもないが、見どころろは、この当時の、それこそ今や貴重なF1マシンがふんだんに登場する、こちらもグランプリ・サーカス、そのものである。
舞台はモナコ、スパ・フランコルシャン、ニュルブルクリンク、ミレミリア(イタリア)、ランス(フランス)など。
アルファロメオ・ティポやベンツの2座席マシン(当時は今走も許されたレースもあった)も登場する。





ドキュメント・タッチの異色作
「ポール・ポジション」
原題;POLE POSITION/F1ーGP


1978年 アメリカ。カラー作品
 東映配給 ”4ch. FORMULA SOUND”

 フェラーリ312T2に乗る名ドライバー、ニキ・ラウダが遭遇した思いもかけぬレース中のアクシデント(1976年8月1日、ドイツ・グランプリ)。その一部始終と彼を紅蓮の炎から救出したメルツァリオ(ウイリアムズ)とアートル、エドワーズ(ヘスケス)のドライバー仲間。勇気ある行動と火災事故の恐怖、そこから這い上がったラウダのプロフェッショナルな根性(同年9月12日/イタリGPに復帰4位)をスクリーンは再現する。
F1グランプリの、その後の安全性に大きな試金石ともなった火災事故から得た教訓は大きい。



「レーサー」
原題:WINNING
1969年、ユニバーサル/ニューマンーフォアマン・ピクチャー
カラー、パナビジョン作品

ジェームス・ゴールドストン監督
出演:ポール・ニューマン
ジュアン・ウッドワード
ロバート・ワグナー

2座席レーシングカーのレースで優勝した主人公が、ある町で一人の女性に出会う。
ライバルでもある、もうひとりのドライバーと3人は複雑な関係になるが、その辺のデリケートな心理状態を内包したまま、ふたりはストックカー・レース、
そしてアメリカン・モーターレーシングの最高峰、「インディ500マイル・レース」へと駒を進める。
予選を突破して晴れの舞台で、ふたりを待っていたのは、決勝レース・スタート直後の大事故だった......。
この映画も、実写をふんだんに採り入れたレース・シーンはかなりの迫力がある。
テレビであるいは、再放送があるかも知れない。
インディカー・レース・ファンは、その時はお見逃しなく。



「ラスト・アメリカン・ヒーロー」
原題:The Last American Hero
1973年、アメリカ 20世紀フォックス
パナビジョン、カラー作品

ラモント・ジョンソン監督
主演:ジェフ・ブリッジス

アメリカのオートレース史上、空前の飛ばし屋として人気を誇った実在のレーサー、
ジュニア・ジョンソンのスピードに賭けた人生。
と、テレビの映画紹介には書いてある。
見識不足か、残念ながら私はジュニア・ジョンソンという名前は知らない。
若き主人公が、草レース(ダートレース)から、ついにはビッグレースのストックカー・レースを制するまでのドラマを描いたものだが、
紹介した上記映画から比べると質はかなり落ちる、というのが偽らざる印象だ。


「レッドライン7000」
原題:Winning
1965年、アメリカ、カラー作品。

ハワード・ホークス監督
主演:ジェームス・カーン

最近、テレビ放映がなされた、ストックカー・レースを舞台とした懐かしの一編。
とはいえ、男女の愛のドラマもしっかりと組み込まれている。
題名のレッドラインとは、言うまでもなくタコメーターの危険ゾーンを示すクルマ用語で、7000回転がこの区域ということになる。
デイトナ・スピードウェイを初めとした、アメリカ各地のサーキットを舞台に、(大型セダンによる)アメリカン・ストックカー・レースの実写がふんだんに盛り込まれている.