手持ちのテープからアトランダムに選んでショート解説するシリーズ!

VTR
 Tape
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Series 3.
text:1988 Italian Grand Prix


決勝/9月11日 モンツァ・サーキット 1周5.800kmx51周=295.800km 
天候:晴れ  コース:ドライ 出走:25台

放映:フジTV
解説:森脇基恭、今宮純
ピットレポート:川井一仁
実況:馬場鉄志(関西テレビ)
音楽:F1テーマ曲”TRUTH” byザ・スクエア 
(敬称略)


久方振りに懐しのテープを取り出した。
やはりベ−タ・テープである。
実は、この当時はVHS(本格的にVHSに変えたのは1993年〜4頃から)も採ってはいたが、標準録画でないと画面が”眠く”感じられ,モーターレーシング類はクリアーな(私はそう思っていた)ベータですべて採った。
ただし、正直なところ、消去したものも結構ある。
そうはいっても”F1特番”、”ポールポジション”、”ル・マン24時間”、”国内耐久レース”、”2輪グランプリ”等も含め、相当数残っている。
時間は掛かっても、出来るだけ紹介していきたいと思っている。
これらのムービーは、もう少しお待ち願いたい(今は時間が無さ過ぎで....)。

というわけで、見たのは前回同様1988年シーズンのものであった。
シチュエーションは、前回に多少紹介したので、今回は省略する。

放送スポンサーは、パイオニア、ピップフジモト、昭和シェル石油、新宿・カメラのさくらや、ホンダ(順不同)で、90分番組だった。

マクラーレンMP4/4ホンダV6ターボを駆るアイルトン・セナは、ここまでに(第12戦/イタリア・グランプリ)、既に7勝している。
同僚アラン・プロストと共にマクラーレン・ホンダ無敵の快進撃といったところだ。

そのセナがイタリアの予選でも、1分25秒974でポールを取り、2番手にプロスト(1分26秒277)が着けた。
3〜4位は、フェラーリF188のゲルハルト・ベルガー(1分26秒654)、ミケーレ・アルボレート(1分26秒988)である。
5位はエディ・チーバー(アローズA10Bメガトロン・ターボ)、6位はデレック・ワーウィック(同)であった。

スタートは、わずかにプロストのほうがセナより速かったが、第1コーナーを過ぎた頃にはこの位置は逆転していた。
そして序盤はこの2者がいつものように、3位以下(3位/ベルガー、4位/アルボレート)に大きなリードを取り進行していった。
ちょうど新世紀のフェラーリのように。

ラップ14での順位は、セナ〜プロスト〜ベルガー〜アルボレート〜チーバー〜ティエリー・ブーツェン(ベネトンB188コスワースDFR)の順。
予選12位の中嶋悟(ロータス100Tホンダ・ターボ)は11位に上がっている。
その中嶋選手はこの周ピットイン、電気系のトラブルでリタイアした。

31周め、先頭集団の1画が崩れた。
プロスト車が緊急ピットイン。
プラグを交換するが、電気系のトラブルで、けっきょくリタイアの憂きめを見る。
ベルガーのフェラーリが自動的に2位に上がり、3位以下も同時に繰り上がった。
セナ車のリードは、その後も開くばかりで、8勝めの勝利も目前であった。

まさに、好事魔多しとは、このこと。
独走態勢でゴールまで後一周の50周め。
第1コーナーのシケインで、セナのマクラーレンは、後続車のリヤタイヤに接触、痛恨のスピンを演じてしまったのである。

優勝はゲルハルト・ベルガー、2位にミケーレ・アルボレートが着き、満場騒然のティフォシの迎える前でフェラーリは、うれしいワン・ツー・フィニッシュとなった。
ちなみにフェラーリに通算94勝めをもたらした、この時の監督はマルコ・ピッチニーニ氏で、嬉しさを満面に表わしていたのが印象的であった。
3位,/エディ・チーバー、4位/デレック・ワーウィック、5位/イアン・カペリ(マーチ881ジャッド)、6位/ティエリー・ブーツェンの順であった。

今回も昭和シェル石油のコマーシャルが印象的で、”No.1の条件”(スパークエイダー)としてアラン・プロスト、アイルトン・セナが登場、両者の走りと、共に指を立ててナンバーワンを誇示していたのが眼についた。

また、放送始めに、89年シーズン(自然吸気3.5リッター)にグランプリ入りするヤマハV8(ザクスピード)、スバル水平対向12(モトーリ・モデルニ)の紹介があり楽しめた。
フジTVの、放送のあり方が問題になっている折だが、私が見た88年のものは、いうならF1放送の原点のようであった。

2003.3.16 記


Series 2.
text:1988 Monaco Grand Prix


G.Berger(Ferrrari F187)/2nd.
 photo;F1レース10年の軌跡/グランプリ出版


決勝/5月15日 モンテカルロ市街地コース 1周3.328kmx78周=259.584km 
天候:晴れ  コース:ドライ 出走:26台

放映:フジTV
解説:森脇基恭、今宮純
実況:大川和彦
音楽:F1テーマ曲”TRUTH” byザ・スクエア 
(敬称略)


シリーズ2回めに、VTRにセットしたのは、「1988年世界選手権・第3戦/モナコ・グランプリ」。
前年ロータスにいたセナはこの年は、マクラーレン・チームに移籍している。
したがってマクラーレン・チームはセナとアラン・プロストの新コンビだ。
同マシンのパワーユニットは、V6ターボ・ホンダにこの年換装されていた。
ちなみに、レギュレーションでターボはこのシーズン限り。翌89年からはレシプロのみとなっている。

マクラーレンMP4/4 ターボ・ホンダは強力で、、第1戦(ブラジル)はプロストが、第2戦(サンマリノ)はセナがそれぞれモノにし、モナコに乗り込んできた。
予選1位はセナ、2位はプロストと、フロントローをマクラーレン勢が占め、3・4位をフェラーリ勢(ゲルハルト・ベルガー、ミケーレ・アルボレート)が着けた。
中嶋選手のロータス・ホンダは、ハンドリング不良で予選不通過だった。

テープは、トゥルースの軽快なF1テーマ曲をバックに、CG映像が流れ、やがて前夜のロイヤル・ファミリーによるレセプションの風景、そしてポールを取ったセナのインタビューがあり、各車ローリングラップに移っていった。
スタートはセナがすばらしく、その差は周を追って広がっていく。
熾烈だったのは2位争いで、ベルガー/フェラーリの後に着いたマクラーレン/プロストが執拗にこれに食らいつき、長きにわたってテール・トゥ・ノーズの戦いを繰り広げたのだ。

セナの独走態勢が裏めに出たのは67周め、気の緩みというわけでもないだろうが、海岸線で突然マシンがスピン、ガードレールに張り付き、あっけなくリタイアしてしまったのである。
これでベルガー/フェラーリを仕留めたプロスト/マクラーレンがトップに躍り出、2勝めを挙げた。
所要時間:1時間57分17秒077,平均132.797km/hであった。
ファステストラップはセナが1分26秒321(平均138.794km/h)のタイムで取っている。
2位:ベルガー、3位:アルボレート、4位:デレック・ワーウイック(アローズA10B メガトロン・ターボ)、5位:ジョナサン・パーマー(ティレル017 コスワースDFZ)、6位:リカルド・パトレーゼ(ウイリアムズFW12 ジャッド)の順であった。



相変わらずモナコの海岸線を含めた映像が美しく、私は前年のレースより面白かった。
CMは、昭和シェル石油にアラン・プロストがフォーマル・スタイルで、あの長髪をなびかして出演していたのが印象的であった。
他の映像スポンサーは、カメラのさくらや、ピップフジモト、パイオニア等であった。


Series1.
text:1987 Monaco Grand Prix


A.Senna/Lotus99T Honda

決勝/5月31日 モンテカルロ市街地コース 1周3.328kmx78周=259.584km 
天候:晴れ 気温:25度C  コース:ドライ 出走:24台

放映:フジTV
解説:今宮純
実況:野崎昌一

レブカウンターの針が振幅する、あの懐かしいCGと初代テーマ・ミュージックで始まる1987年F1世界選手権/第4戦モナコ・グランプリ。
ポール・ポジションはウイリアムズFW11・ホンダのナイジェル・マンセル。2番手はロータス99T・ホンダのアイルトン・セナ。いずれのパワーユニットもターボV6だ。
レースは、スタート良く飛び出したマンセルをセナが追う展開。
10周終わった段階での順位は、1)マンセル 2)セナ 3)ネルソン・ピケ(ウイリアムズ・ホンダ) 4)ミケーレ・アルボレート(フェラーリF187・ターボV6) 5)アラン・プロスト(マクラーレンMP4/3・TAGポルシェ・V6ターボ) 6)エディ・チーバー(アローズA10・メガトロン・ターボ)。
この後マンセル/ウイリアムズは、セナを大きく引き離し独走態勢となる。
30周めの順位も変わらない。
異変が起こったのは、すぐこの後だった。
マンセル/ウイリアムズのマシンがスローダウンしたのだ。
そしてピットイン。エキゾースト系のトラブルであっけなくリタイアしてしまった。
トップに立ったのはセナ/ロータス。
彼はファステストラップ(1分27秒685=136.635km/h)をも叩き出しながら、危なげなく全78周を走り切りチェッカード・フラッグをかいくぐったのである。
セナが乗ったロータス99Tは、各チームに先駆けてチーム・ロータスが精力的に開発したアクティブ・サスペンション仕様のマシンで、俯瞰撮影(運転姿勢)でもまったくサスがロールすることがなかった。
セナはホンダ・エンジン搭載車での初勝利であった。
日本の中嶋悟選手もアクティブ・サス・ロータスで出場し、1周めスピンで最高尾に落ちたにもかかわらず健闘し10位完走を果たしている。
所要時間:1時間57分54 平均:132.102km/h。
順位:1)セナ 2)ピケ 3)アルボレート 4)ゲルハルト・ベルガー((フェラーリ) 5)ジョナサン・パーマー(ティレル016・コスワースDFZ・V8) 6)イアン・カペリ(マーチ871・コスワースDFZ)


Beta type Video Tape

映像では、美しいモナコの海岸線が強く印象に残った。
幅広のスりック・タイヤがばかに力強く見え、CMでは”JPS”のタバコ広告が懐かしく、また現在ジャン・アレジ夫人の後藤久美子が、可愛らしい少女姿でミノルタ・カメラのCMに出演していた。